はじめに
6月に発売が決定したNintendo Switch 2。
基本性能・追加機能が増え、価格も上昇。
SNSでは「ぜったいほしい!」「安い!」という感想がある一方で「また高くなった・・・」「ゲーム機に払う金額ではない!」という意見もあり賛否両論。
では旧モデルからどのように改良されたのか性能を解説し、さらに他の現行ゲームハードと比較してNintendo Switch 2がどんな立ち位置にいるのかはっきりさせたいと思います。
Nintendo Switch 2と旧モデルの比較
スペック比較表
本体 | Nintendo Switch 2 | Nintendo Switch(有機ELモデル) |
---|---|---|
価格(税込み) | 49,980円(日本国内専用モデル) 69,980円(多言語対応モデル) | 37,980円 |
CPU・GPU | NVIDIAカスタムプロセッサー | NVIDIAカスタム(Tegra X1ベース) |
メモリ | 不明 | 不明 |
ストレージ | 256GB UFS | 64GB eMMC |
本体ディスプレイ | 1,920×1,080px 120Hz可変リフレッシュレート 7.9型液晶 HDR対応 | 1,280×720px 7型有機EL |
映像出力 | 3,840×2,160px【4K】/60Hz 2,560×1,600px【WQHD】/120Hz 1,920×1,080px【フルHD】/120Hz HDR対応 | 1,920×1,080ドット【フルHD】/60Hz |
ゲームカードスロット | Nintendo Switch 2/Nintendo Switch ゲームカード | Nintendo Switch ゲームカード |
通信機能 | Wi-Fi 6/Bluetooth (TVモード時のみ有線LAN対応) | Wi-Fi 5/Bluetooth 4.1 (TVモード時のみ有線LAN対応) |
外部ストレージ | microSD Expressカード(最大2TB) | microSDカード(UHS-I規格) |
バッテリー | 5,220mAh | 4,310mAh |
駆動時間 | 約2~6.5時間 | 約4.5~9時間 |
USBスロット | USB Type-C 2基 | USB Type-C 1基 |
音声入出力 | デジタルマイク(モノラル) ステレオスピーカー 3.5mm4極ステレオミニプラグ(CTIA規格) | ステレオスピーカー 3.5mm4極ステレオミニプラグ(CTIA規格) |
本体サイズ | 272×116×13.9mm(Joy-Con 2装着時) | 242×102×13.9mm(Joy-Con装着時) |
重量 | 約401g(Joy-Con 2込み約534g) | 約320g(Joy-Con2込み約420g) |
初代Nintendo Switch、Nintendo Switch Liteはスペックがほぼ変わらないのと、Liteは携帯モード専用機のため省略し、価格のみ掲載します。
本体 | 初代Nintendo Switch | Nintendo Switch Lite |
---|---|---|
価格(税込み) | 32,978円 | 21,978円 |
Nintendo Switch 2で変わった部分
ストレージ(eMMC→UFS)
ストレージの容量がアップしただけでなく規格が変わりました。
「UFS」とはフラッシュメモリの最新規格。
eMMCよりも5~6倍速い転送速度、読み込みと書き込みを同時にできるなど超高性能です。
ゲームの起動やファストトラベルのようなゲームデータを大量に読み込む時間を大幅に短縮するので待つストレスなくプレイできます。
映像出力・ディスプレイ
やはり目玉となる進化は映像出力です。
Nintendo Switch 2から4K・WQHDの映像出力が可能になりました。さらにリフレッシュレートが最大120Hz、つまり120FPSの超滑らかなゲーム映像でプレイ可能。
「4Kテレビで遊んでいるんだから、今までと変わらないでしょ」と思う人もいるかもしれません。
そもそも今までリビングで遊んでいたのはフルHDの解像度を無理やり引き延ばした映像で遊んでいただけで4K映像ではありません。
テレビはただの出力装置。なので入力側つまりゲーム機側が4Kの映像データを送ってくれないと4Kの映像は映せないんです。
なのでスイッチ2は従来のスイッチと比較するまでもないくらい画質がキレイになります。
ただしスイッチ2の本体ディスプレイは液晶に戻ってしまいました。有機EL版の前モデルよりも携帯モードでの映像の発色は落ちてしまいますが、その代わりHDR(ハイダイナミックレンジ)に対応。
携帯モードでもTVモードでも色鮮やかなゲーム映像を楽しめます。
通信機能(wi-fi 6)
通信機能もwi-fi 5から6にグレードアップ。
wi-fi 6は最大通信速度が約3.0Gbps向上しており、周波数も2.4GHz帯に対応したことで安定性が向上しています。
- 2.4GHz:電波を遠くまで飛ばせる。壁などの遮蔽物に強く通信が途切れにくい。しかし他の家電製品(IH器具)でも使われているので器具同士が近すぎると電波が混線して接続不良になることも。
- 5.0GHz:Wi-Fi通信専用の周波数帯、ほかの家電の影響を受けず接続が安定する。その代わり遮蔽物に弱く、電波が弱まりやすい。
外部ストレージ
外部ストレージがmicroSD Expressカードのみ対応となりました。
Expressはmicro SDの最新規格でデータの転送速度が格段に向上しています。
SDの規格 | 最大転送速度 |
---|---|
従来のmicro SD(UHS-I,Ⅱ,Ⅲ) | 104~624MB/s |
micro SD Express | 985MB/s |
任天堂はUHS-Ⅰ(最大転送速度104MB/s)を推奨していたのでこの規格のカードを使っている人が多いでしょう。UHS-Ⅰと比べると転送速度は約9倍です。
その他の追加機能
Nintendo Switch 2は本体にマイクが内蔵されています。コミュニケーション機能としてゲームチャットが加わりましたがマイクを用意する必要がありません。
USB-C端子が本体上下に一つずつの合計2基搭載されました。携帯モードでも電源を接続したまま、バッテリー切れを気にせず遊ぶことができます。
本体ではなくJoy-Conのほうになりますが、光学センサーが追加されマウス操作ができるようになりました。マウス操作にような直感的な操作が加わり、対応できるゲームの幅が広がります。
Nintendo Switch 2と旧モデルの違いまとめ
Switch 2は旧モデルからここまで進化しました。
- ディスプレイ・解像度・フレームレートなどの映像表現が大きく進化
- 本体ストレージが増量・最新規格で性能アップ
- 通信機能もアップ
- 内蔵マイクやUSBスロットが追加
ただし、バッテリー面に関しては性能が低下。
バッテリー容量はわずかに増えているものの、バッテリー駆動時間がかなり短くなっています。
ここまで性能が伸びた分、消費電力も相当増えてしまっているのでしょう。画質やフレームレートを落とせば駆動時間は伸びますがそれでも最大6.5時間にとどまっています。
ただ、コンセントがない完全な野外でSwitch 2を長時間遊ぶというシチュエーションはあまり現実的ではないのでそこまでデメリットではありません。
ライバルのゲームハードとの比較
他のメーカー家庭用機のスペックをまとめてみました。
機種 | PS5 | PS5pro | XBOX series S | XBOX series X |
---|---|---|---|---|
本体価格(税込) | ディスクドライブあり 79,980円 ディスクドライブなし 72,980円 | 119,980円 | 512GBモデル 44,578円 1TBモデル 49,978円 | 66,978円 |
CPU | AMD 8コア Zen 2 カスタム AMD RDNA 2-based 36 CUs | AMD 8コア Zen 2 カスタム AMD RDNA 2-based 36 CUs | 8Xコア@3.6GHz(3.4 GHz w/SMT)カスタム Zen 2CPU | 8Xコア@3.6GHz(3.4 GHz w/SMT)カスタム Zen 2CPU |
GPU | AMD Radeon RDNA 2-based graphics engine 描画性能 10.3 TFLOPS | AMD Radeon RDNA-based graphics engine 描画性能 16.7 TFLOPS | 20CUs@1.565Ghz カスタム RDNA 2GPU 描画性能 4TFLOPS | 52CUs@1.825Ghz カスタム RDNA 2GPU 描画性能 12TFLOPS |
メモリ | 16 GB GDDR6 SDRAM | 16GB GDDR6・DDR5 2GB | 10GB GDDR6 | 16GB GDDR6 |
ストレージ | 1TB SSD | 2TB SSD | 512GB/1TB SSD | 1TB SSD |
映像出力 | 最大3,840×2,160px【4K】 解像度優先/30~60Hz フレーム優先/60~120Hz HDR | 最大7,680×4,320【8K】 解像度優先/30~60Hz フレーム優先/60~120Hz HDR | 最大2,560×1,440px【WQHD】 最大120Hz HDR | 最大3,840×2,160px【4K】 60Hz~120Hz |
通信機能 | Wi-Fi 6 有線LAN Bluetooth 5.1 | Wi-Fi 7 有線LAN | 有線LAN | 有線LAN |
外部ストレージ | NVMe M.2 SSDスロット×1 | NVMe M.2 SSDスロット×1 | XBOX専用ストレージカードスロット(外付け) | XBOX専用ストレージカードスロット(外付け) |
本体サイズ(横置き) | ディスクドライブあり 幅390mm×高さ104mm×奥行260mm ディスクドライブなし 幅390mm×高さ92mm×奥行260mm) | 幅388×高さ89×奥行216mm | 幅65mm×高さ275mm×奥行151mm | 幅151mm×高さ301mm×奥行151mm |
重量 | 3.9kg(ディスクドライブあり) 3.4kg(ディスクドライブなし) | 3.1kg | 1.93kg | 4.5kg |
スペックと価格はXBOX series Sに近い
スペックと価格をざっくり比べると一番近いのはXBOX series Sです。
ただNintendo Switch 2はCPU・GPUの詳細なスペックが公表されていないのでどちらが上かは判断しかねます。しかし4K解像度を出力できる点でNintendo Switch 2のCPU・GPUパワーは相当なもの。
もしかするとXBOX series S以上、PS5やXBOX series Xの性能にかなり近い可能性もあります。
Nintendo Switch 2の立ち位置
現行ハードたちと肩を並べる性能、なのに安い
たしかに旧モデルよりも価格は上がりました。最初に発売された初期型Switchは32,970円(税込み)でしたから約2万円の価格上昇です。
しかしその価格に見合う、むしろ価格以上に性能と機能が大きく進化しています。
Nintendo Switchが他のハードと比べて安価だったのはやはりハードウェアとしての純粋な性能が劣るからなんです。現行ハードであるPS5やXBOX seriesに比べると1歩どころか周回遅れレベルの性能でした。
しかしNintendo Switch 2はライバルハードに引けを取らない性能でありながら圧倒的に価格が安いんです。
多言語モデルとの差異
この安さを可能にしたのは日本専用モデルと多言語モデルを分けたことが大きいです。
従来のグローバルモデルだと為替、物価高、関税などさまざまな影響を踏まえた統一価格にしないといけないので、50,000円台で販売なんてまず不可能。
そのうえ日本人もですが外国人転売ヤーも年々増えており日本で販売している商品がかなり狙われています。小売店では売り切れなのにネットショップには正規価格よりもはるかに高額な価格をつけられた商品がズラリと並んでいますからね。
転売ヤーでなくても日本で安く買うために来日する外国人もいるくらいです。
そんなことをされたら日本に住んでいるのに日本の商品であるNintendo Switch 2を買うことができないという最悪の状態になってしまいます。
価格をできるだけ抑えつつ転売防止にもつながるのでモデル分けは最良の選択だと思います。
いつ値上げしてもおかしくない
とはいえ昨今の物価高はいつ止まるのかもうわかりません。どんな商品もいつ値上げしてもおかしくない状態が当たり前になっています。PS5もXBOXも発売当初からかなり値上げしていますから。
煽るようですがNintendo Switch 2も例外じゃなく、50,000円台で買えるチャンスは今だけだと思います。
とくにマリオカートワールドとNintendo Switch 2との同梱セットは53,980円とさらにオトクなセットですが、こちらは2025年内までの限定販売となっています。やはり安売りを長くは続けられないのです。
まとめ
- Nintendo Switch 2は最高の性能と価格で販売される
- 限定販売や今後の値上げの可能性を考えるとすぐに手に入れたほうがいい

今はとにかく物価が青天井で上昇し続けてつらい。
その中で任天堂は「良いものをできるだけ多くの任天堂ファン・ゲームファンに届ける」ことに全力を尽くしていると感じます。
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