はじめ
はじめに覚えてほしいことは以下の3つです。
ここからは垂直同期がそもそも何のためにあるのか。なぜオフにするべきなのか。G-SYNC・FreeSyncとの違いなどを詳しく解説します。
垂直同期(V-SYNC)とは
垂直同期(V-SYNC)とはモニターのリフレッシュレートに合わせてグラボが出力する描画フレームを調整する機能です。これが何のためにあるかというと、”ティアリング”と”スタッタリング”といったゲーム映像の乱れを防ぐためです。
ティアリング(映像のズレ)
ティアリングとはゲーム映像が横にズレたような状態で表示されてしまう状態です。グラボが出力する描画フレームが多すぎることで起きやすくなります。
スタッタリング(映像がカクつく)
スタッタリングは「ゲーム映像が一瞬止まる(カクつく)現象」です。ゲーム映像の描画データが足りなくなったり、映像を表示するタイミングと描画データを送るタイミングがズレることで「映像が更新されないスキマ時間」が発生してしまうためです。
グラボが出せる描画フレームがモニターのリフレッシュレートを下回ってしまう、もしくは描画フレームが急激に落ちたときに発生します。
垂直同期のデメリット
- スタッタリングを完全には防げない
- 表示遅延(ラグ)が発生する
結局「ゲーム中の急激な描画フレームの低下」でスタッタリングは起こるので描画フレームを抑えておくだけの垂直同期ではスタッタリングを完全に防ぐことはできません。
そして「描画フレームを出力→モニターに表示する」間に「モニターに必要な描画フレームを計算して調整する」という作業が増えるため、ラグが発生してしまいます。
ゲームジャンルで垂直同期を切り替えるのがオススメ
垂直同期はゲームジャンルによってオン・オフを切り替えましょう。
オフ | オン |
FPS・格闘・操作難度が高めのアクション | ←以外のジャンル |
たとえばAPEXやCODのようなシューターゲームは激しい打ち合いや爆発のエフェクトなどの映像処理が重いシーンが多いですよね。垂直同期で出力を抑えている状態でフレームレートが急激に低下すると必要な映像データが不足してゲーム映像が止まってしまいます。
撃ち合っている最中にゲーム映像がカクついたら勝てる勝負も勝てません。「ゲーム映像がカクつくくらいならティアリングするほうがマシ」というわけです。さらにラグもしているので出会い頭の撃ち合いは遅延の少ないほうが先に射撃できるので断然有利。FPSゲームは垂直同期をオフにするのがおすすめです。
格闘ゲームは基本60フレーム固定で最高画質設定でも、負荷は高くありません。しかし反応の速さが勝敗を左右しますから、わずかなラグもぜったい許してはいけません。
また操作難度が高めのアクションとは、たとえばやエルデンリングやモンスターハンターのような「相手の攻撃を回避する・カウンターを決めることが重要なゲーム」を指します。カクつきやラグがあるといくら合わせようとしても回避やカウンターは成功しません。
G-SYNC・FreeSyncとは
G-SYNC・FreeSyncはV-SYNCから発展した「可変フレームレート表示技術」です。
この2つは開発した会社とシステムが異なります。
G-SYNC
G-SYNCはNVIDIAが開発。モニター側に専用チップを備えることで「グラボ側の描画出力に対してモニター側が表示するタイミングを合わせる」ことが可能になりました。
FreeSync
freeSYNCはAMDが開発。ソフトウェアとDisplayPortのみで可変フレームレート表示を可能にしました。
メリット
- V-SYNCよりもラグが少なく快適にプレイできる
- ティアリング・スタッタリングをより強力に抑える
デメリット
- スタッタリングとラグを完全に防ぐことはできない
V-SYNCよりもパワーアップしてはいるのですが、やはり完全にスタッタリングとラグをなくすことはできません。なので前述したFPSや格闘のような「速い応答性を求められるゲーム」では機能をオフにしたほうがいいです。
垂直同期をオフにする方法
ゲーム内のビデオ設定でオフにする
基本的にゲーム内のオプション設定の映像もしくはビデオと書かれた設定項目の中にあります。
NVIDIAコントロールパネルの設定でオフにする
「垂直同期はどんなゲームにもいらない!」という人はグラボの設定自体をオフにしましょう。
スタートメニューから検索、もしくはマウス右クリックで「NVIDIAコントロールパネル」を開きます。メニュー左側の「3D設定の管理」を選んで垂直同期の項目をオフにします。
まとめ
最後にまとめで確認しましょう。
垂直同期は競技系ゲームではオフにするのが当たり前なので「いらない機能」というイメージを持たれてしまいます。ですがゲーム映像をきれいに表示するうえで欠かせない機能なのでうまく使い分けることがいちばんじゃないかと思います。
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